313. 第36回異業種交流会が開催 (2025.06.09)

猛暑続きの6月6日(金)、日比谷・日本プレスセンター9階大会議室に29名が集まりました。

異業種交流会の前半は、関東同窓会の副会長でもある96期・大澤理氏(INPEX上席監査員)に、「地球のお医者さん~医療の技術で地下を診る~」をテーマに約30分お話していただきました。

前半は大澤氏によるファーストスピーチ

大澤氏は、東大を卒業後、外資系のシュルンベルジェ社に入社しました。物理探査により地下の様々なデータを計測し、さらにこれらのデータや解析するシステムを、石油開発会社や大手商社に提供している会社です。

物理探査には、音波、ガンマ線、比抵抗などを用いたいくつかの検層技術があり、日本で開発されたソニックスキャナーの動画などを紹介してくださいました。私達もよく耳にするMRIは、磁気共鳴断層撮影といって、磁場共鳴の性質をもつ水素原子の動きから、磁場を掛けたり止めたりすることで、その緩和時間を計測し、血管のイメージを造影しています。そして同じ技術を地下に応用した核磁気共鳴検層という技術で地下の油層・水層を解析できます。

また同じく我々一般人にも馴染みのある内視鏡の技術と対比させ、地下に対して傾斜掘り、水圧破砕、微小地震モニタリングの技術を応用することで、シェールガスやシェールオイルを採れるようになったのだそうです。

最後に、地球は病んでいる、として、地球温暖化についてお話がありました。シベリアの油田で撮った、余ったガスを燃やしているフレアの写真を紹介しながら、エネルギーの会社としてできることとして、石油・石炭から液化天然ガスへシフトすることや、CCSの技術で二酸化炭素を埋め戻すこと、再生可能エネルギーへの転換など、いくつかのINPEX社の取組みの紹介したあと、それでは、私たち個人でできることは何か? という問いかけ。

地球温暖化は事実であり、一時的な変化ではない。事実を伝えることが大事である。リーダーの立場の人は、話すことで啓蒙していきましょう。個人では、省エネや地球にやさしい商品の購入など、身近なところから始めましょう。とても大事なご提言でした。 (詳細は、会報100号(2025年12月発行)に掲載されます。)

後半は懇親会

ファーストスピーチに続き、参加者それぞれの仕事や近況をスピーチしていただいたあと、懇親会を行いました。今回は、同じエネルギー開発に関わったことのある業種の方や、金融関係だがINPEXの担当をした経験のある方、地域の友達が偶然にも大澤氏の先輩だったことがわかった方、転職前の同僚同士が偶然、この交流会で居合わせた方々など、ちょっとした接点が見つかった方が多かったように思います。また、総会幹事期を昨年終えた期と、現在、奮闘している期で、円陣を組んで情報交換し合う光景も見られました。ビールを飲みながら、卒業期を越え、業種を越えて、皆さん笑顔で交流されていました。自分が想定していなかった出会いがあるからこそ、人間はおもしろいのかも知れません。同じ静高OBとして、関東でそれぞれ頑張っている参加者の皆さんがそれぞれに、有意義で豊かな時間を持ち帰り、明日への活力としてくださったのではないでしょうか。

今後も、関東同窓会のオリジナルイベントとして、年2回の開催をしていきますので、お気軽にご参加ください。次回は1月~2月に第37回異業種交流会を開催する予定です。