第38回異業種交流会が開催されました
6月19日(金)の夜、高田馬場・ワイム貸会議室に41名が集いました。今回のファーストスピーチは、元日本新聞博物館館長で現在、日本NIE学会常任理事はじめフリーとして教育とメディアをつなぐ活動をしている99期・尾高泉氏。「SNS時代の情報とメディアと私たち」と題し、一億総メディア化し生成AI活用も進むなか、社会はより民主的になるのか、分断が進むのか、私たちや次世代が健康で幸せになるための「メディア情報リテラシー」について一緒に考えてみましょうと、豊富な情報がまとめられたスライドと同時進行で、よどみないスピーチを30分間していただきました。

参加者の1/3が女性であり、男性の同窓生が圧倒的に多い静高の同窓会のイベントとしては、特徴ある回となりました。82期(79歳)~135期(26歳)までの幅広い年齢層であったこと、そしてそれぞれが仕事等で関わって来られた業界も範囲が広く多種多様であり、現代社会で生きている私たちとって今回のテーマが、世代や生きる場所を選ばずに、いかに関心が高く身近なものであるかを物語りました。ファーストスピーチに続く参加者によるスピーチは、時間の関係でたっぷりお聞きすることはできませんでしたが、いろいろな現場でのAI活用の様子も垣間見られたほか、それぞれの歩む道の紹介など、よい刺激の交換となりました。続く「静岡の美味しいものガッツ」での懇親会は、ぎゅっとした空間にてほどよく全員が融合し、楽しい時間を共有しました。最後に校歌や応援歌を歌って梅雨の暑さを吹き飛ばし、お互いのパワーを分け合いました。
この講演では、尾高氏は、SNS時代に自分に情報が届く流通構造を理解することの必要性や、戦時中に新聞が国民の戦意を高揚させてしまった歴史から、正確で信頼できる情報や言論の自由、そして責任ある報道の重要性を話されました。以下、お話の内容です。(尾高氏確認済み)
私たちには認知の特性に違いがある。そしてSNS が誕生する前のマスメディアの情報を受け取る際のリテラシーと SNS が来てからはメディアリテラシーは全く別物であるということを理解することが大事だ。SNSが普及した現代では、編集アルゴリズムにより情報が自分仕様の好みに合わせて偏って届くフィルターバブルや、自分の意見が多数派であるかのように錯覚するエコーチェンバーの傾向が強まり、真偽不明でも多くの人が見るものに広告収益が集中するアテンションエコノミーの問題もある。フェイクニュースの拡散の元は、僅かなアカウント。特に医療や健康分野の誤情報が多く、人々が誤認しやすいという問題も指摘されている。
紙の新聞の部数はこの20年弱で半減したが、新聞社もテレビ局は今日も、デジタル空間にニュースを発信・配信している。世界的にニュース離れが進む一方で、ニュースが難しくて理解できないと感じる若者も増えている。ジャーナリズムの弱体化が進む中で、「誰が情報の真偽を確かめるべきか」という基本的な問いにすら社会的合意がない現状がある。しかし、報道には依然として社会を動かす力があり、医大入試の女性差別問題や外国籍児童の不就学問題、熱海の土砂災害の人災性の追及など、新聞社の調査報道が社会を変えてきた。
偽情報への対策としては、ファクトチェック、広告収益の流れを可視化して制御する仕組みづくり、そしてメディアリテラシー教育の三つが挙げられる。特に2番目のアテンションエコノミー対策が急がれる。発信源、根拠の有無、関連情報を確かめることが大切だ。
メディアリテラシーは単に、自分に災厄をもたらす情報を振り払う刀ではなく、異なる意見を持つあなたも私も共に社会参加していくための包摂性がないといけないと思う。
※スピーチ内容は、次号会報102号(12月1日発行)で詳しくご紹介します。

終了後は、市川副会長(112期)の店「静岡の美味しいもの ガッツ 高田馬場」に移動、老若男女が現在・過去・未来の話に盛り上がりました。

最後はお決まりの校歌、希望の歌、逍遥歌での大団円、大盛り上がりのまま散会となりました。

今後も、関東同窓会のオリジナルイベントとして、年2回の開催をしていきますので、お気軽にご参加ください。次回は1月~2月に第39回異業種交流会を開催する予定です。
